キンモクセイが今日はじめて香ったと別のブログで書いたのだが、キンモクセイにちなんだ気の利いた句を添えようと、手元の歳時記(『新歳時記(秋)』平井照敏(ひらいしょうびん)著/河出書房新社 1989年)をひもといてみたのだが、どうもぴんとくるのがない。例えばこんなふうである。
木犀や月明かに匂ひけり 山口青邨
夜霧とも木犀の香の行方とも 中村汀女
夜の句も印象的な句が多くて好きなのだが、今日は昼間の爽やかな句が欲しい。
天つつぬけに木犀と豚にほふ 飯田龍太
豚のにおいなんかいらない!
木犀の香がしてひとの死ぬる際 小寺正三
暗い!
沈黙は金なり金木犀の金 有馬朗人
なんじゃこりゃ!
木犀をみごもるまでに深く吸う 文挟夫佐恵
「みごもるまでに」という表現は秀逸でいいんだけどなあ…もうひとつ好きではないなあ。
うーん、みな名句なのかどうか知らんが、なんかもっと素直で爽やかな秋をうたった句がないものか! 歳時記が古いのか知らん。それとも俳句ってこんなものなのかな。私は俳句は好きなんだけど、いつもどっかで半分疑っているようなところがある。まあその理由は昔から言い尽くされてきたことだろうからここでは書かないけど。
てなわけで、俳句を添えるのはあきらめた次第。自分でつくる能力もないし。
本来は俳句の話題はもう一つのブログに書くべきなのだが、今日はこっちに書いてみました。